【レンタル】富士フイルムの機材でボートレースを撮ってみた

ひさびさのBlogです。みなさんインスタ見てくれてますか~?

さて、先日富士フイルム様のご協力で機材をお借りし、ボートレース丸亀へ撮影に行ってまいりました。

富士フイルムの機材でボートレースは撮れるのか?

昨年のEOS R3 + RF100-500mm + Ext1.4 の組み合わせ(35mm換算420-700mm)以来、望遠欲が高まっていました。
もっと、望遠で撮影してみたい。
そんなときにふと見かけたレンズが富士フイルムのXF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR。
いやいや、35mm換算だと225-900mmではないか…と。
前回の機材よりも自由度が高い焦点距離の範囲。
しかも重量的にRF100-500mm+Ext1.4は1595g。
XF150-600mmは単体で1605g。
大した違いはない。

ただ…問題はボディ。
私のX-T3は動きものには(自分的に)使えないことは確認済み…
悩んでいたところに、富士フイルムの神営業さんのご協力もあり、今回の撮影が実現しました。(趣味なのに。)

お借りした機材は、
ボディは X-T5 に、レンズはXF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR と2倍のエクステンダー。
それになぜかX-H2sも沸いてきて、豪華な顔ぶれ。
(後に書きますがバッテリーはたくさんご準備頂きありがとうございました。)

さて、この機材で2日間にわたるテスト(趣味)を行ってきました。
(ここで上げる写真はノートリミングのまま画像サイズ縮小。明るさ・色調整等は行っています。)

以下は、詳細になりますので結論だけ知りたかった方はそっとページを閉じてください。
(めちゃくちゃ長文になります。)

1日目[X-T5 + XF150-600mm + (一部2倍エクステンダー)]

機材が嬉しくて仕方ない私。到着後軽食を食べてレース前の練習を撮影。

第1ターンマークのところから、スタート付近300m以上先の選手を狙います。この時、35mm換算1800mm。

1200mm(35mm換算1800mm)で撮影

非常に大きく写ることに満足しつつも、なんだかピントが怪しいし解像感も怪しい
「高画素機(約4000万画素)の洗礼か?」
なんて思いつつ、第1レースが始まる前にすでに諦めムード。
いつもの撮影場所(第2ターンマーク付近)で撮影するとかーなーり、大きく写ります。

1200mm(35mm換算1800mm)で撮影

これは異次元の世界だ…
鳥を撮る人、すごすぎる。
手が少しでも揺れると画面からすぐにボートがいなくなってしまう…

自分にはテレコンは手に余ると思いなおし外して撮影をしてみると「あれ?ピント合いやすくなった?解像感も良くなってる…」。
※実はテレコンに汚れがあった模様…綺麗だったらよかったかも。

いろいろとモードや設定を変更しながら丁度よいバランスを探すも、なぜかしっくりと来ない。
原因は一つ。
X-T5のAFはちょっと遅い。
これ、X-T3からX-T4に変わった時に感じたがっかり感と同じ。
確かにこれらよりはるかに進化は感じられるのだけれど、レフ機(やCanon R3などのミラーレス)に比べるともっさり感が否めない。
そして、水しぶきに邪魔されるわ、邪魔されるわ。
粘りがないというか。このあたりはいろいろと設定を細かくいじってみたけれど改善されず。

600mm(35mm換算900mm)で撮影

X-T3は好きでいまだにつかっているし、普段の撮影で困ることはほとんどなくて。
それでもスポーツを撮ろうとは思っていないのは、やはりAFの遅さが原因(というか個人的な感覚)。

ただ、まったく撮れないわけではなくて、それに合わせた撮り方(しっかり狙って撮る)をすると撮れることは撮れる。
一日撮影して、なんとか何枚かは良さげなのが残ったけれど、ちょっと消化不良。

600mm(35mm換算900mm)で撮影

それでも全て悪かったかというとそういうわけでもなく、X-T3よりはるかに進化を感じたのは高感度に強くなっているところ。
X-T3は個人的な基準としてISO3200は使いものにならないと感じていて、X-T5はT3より画素数が増えているにもかかわらずISO3200が普通に使えるくらいに進化していると感じました。
ちょっと無理すればISO6400もいけるかも…という感覚。
これは意外な感覚でした。

上ではむちゃくちゃ書いてますが、AFそのものは確実に進化してました。速くなっているのは間違いなくて。僕の中では期待通りではなかったというだけ。
そして、バッテリーの持ちがすごく伸びているのがすごかった。
X-T3はバッテリーの持ちが悪く、そのイメージから非常にたくさんのバッテリーを準備して頂いたわけですが…
ずっとブーストモードだったのに2本で足りました…3本あると安心ね。(5本くらい使うと思っていた…)

個人的な感触としては、X-T3から2世代後のX-T5は全然別物といっていいくらいの進化をしていました。

2日目[X-H2S + XF150-600mm]

さて2日目はなぜか手元にあったX-H2S。画素数的にはX-T5より少ない2616万画素。

全然感触が違いました。AFが速い。トラッキング(被写体をつかまえる)が賢い。
1日目はストレスMAXでの撮影でしたが、2日目はストレスフリーに近い状態でした。
少なくとも、AFの感触が私の感覚には近いもので、とても好感がもてるものでした。

ボートレースは波しぶきが問題です。
車のレースなどと違って、しぶきが無作為に被写体より前に飛んでくるため、AFが迷いやすい。
つまり、簡単なようで難しい被写体。

たとえば、次の3枚。

600mm(35mm換算900mm)で撮影
600mm(35mm換算900mm)で撮影
600mm(35mm換算900mm)で撮影

1枚目まではAFが正しく追っていても、2枚目のように波しぶきが入るとAFが迷って戻ってこないことがあります。
(ここがX-T5が苦手にしているように感じたところ。)
それが3枚目のように被写体にフォーカスがしっかりと戻ってきてくれる。
※実際にはこの間に何枚もシャッター切ってます。
他社のカメラを使っている人からすると「当たり前なことを何言ってんだ?」なんていう人もいるかもしれませんが、X-Tシリーズの感覚でいた私からすると非常に感動ものだったわけです。

Canon R3 + 100-500mmの組み合わせからすると精度的にだったり感覚的な部分で微妙に「うーーーん」なところがあり、もうちょっと成熟してくれたらもっと楽しめるだろうなという感想です。
「正直富士フイルムで動きものは無理だよね」なんて富士フイルムを使いながらに思っていた失礼な私ですが、その考え方を改めさせられた一日でした。

600mm(35mm換算900mm)で撮影

さて、今回使ったレンズXF150-600mmについてですが、正直めちゃくちゃいいです。(細かな画質うんぬんは知らん!)

広角側がおよそ200mm程度ということもあり、非常に柔軟に対応できます。

435.5mm(35mm換算653mm)で撮影。シャッター速度1/20秒

※もうちょっと練習が必要ですが、心に余裕ができると遅いシャッターにも挑戦したくなるもので。流し撮り難しい…

(ボートレースは縦揺れもするので流し撮りの中ではとても難しい部類に入るらしいです。頭を縦に振る鳥も流し撮りは難しいですものね。)

うごきものにちゃんと対応してくれて、レンズそのものへのストレスは全くありませんでした。
何より、「伸びないレンズ」なのが良い。(インナーフォーカスと言うそうです)
伸びるレンズは横からの当たりに異常に弱かったりしますが、それがないというだけでも安心です。
また、伸びるとバランスがくずれて微妙に持ちにくい時があるものですが、それを全く感じません。
富士フイルムが好きなんだけど、超望遠が欲しいなんて人は、被写体が動く動かないに限らず、このレンズを買うのが良いのではないかなって感じました。

そんなこんなの、富士フイルムの機材を使ってボートレースを撮ってみた報告でした。

(さて…次はCanonのRF200-800mmが使いたくなってきたぞ…)