【デジタル豆知識Vol.1】プリントの大きさと MBの関係
さて、たまには読んでくださる方のためになる記事をかかなきゃと思いまして、
ちょっとよくわかりにくい「デジタルデータ」について、
少しずつ記事にしていこうと思います。
今回は、プリントの大きさとMBの関係について。
半切にしたいのだけどファイル容量が3MBしかない…
こんな感じで、不安になられる方がいらっしゃるようです。
「○MBしかないんだけど、大きくできるんだろうか?」
そういったご質問も頂きます。
結論から申し上げます。
「プリントサイズには画素数が重要で、容量(MB)だけというのはあまり参考になりません」
声を大にして言いますよ。
「プリントサイズには画素数が重要で、容量(MB)だけというのはあまり参考になりません」
以前、とあるコンテストの受賞データ提出で、「提出データはjpgで20MB以上」と書いてありました。
さすがに、このコンテストの主催者に対して、「おまえは何を言ってるんだ」と言いたくなりました。
※お前は何を言っているんだの元ネタはコチラ
カメラマンさんなら知らない人が多いのは理解できておりますが、主催者がこれではあまりにも…酷すぎません??
(まぁ、実際は20MB以下の誤植だったわけですが…ヨカッタヨカッタ)
ということで、以下で少しデータ容量について実験してみました。
色の違いで、データ容量は違う?
白と黒ではデータ容量が違う!
そんな説を聞いたことがあります。
本当かどうか、実験してみましょう。
2000×3000ピクセル(600万画素)のデータを作り、黒色・灰色・白色の三色に塗りました。
※ここでは、縮小してます。
黒
灰色
白色。
赤い下線がファイルの画素数、赤い←がファイルの容量ですね。MBより小さいKBになってます。
黒、灰色、白の全てが、46KB。
はい、見事に(ほぼ)同じサイズですねー。
jpg画像では、色の要素は容量(MB)に影響しないようです。
画像の大きさで、データ容量は違う?
画像が大きければ、データ容量が違います。
これはイメージが沸きますね。
本当かどうか、実験してみましょう。
灰色の2000×3000ピクセル(600万画素)のデータと、4000×6000ピクセル(2400万画素)のデータを作ってみました。
小さい方
大きいほう。(ブログの横幅の関係でちゃんとした大きさになってないですが。)
2000×3000ピクセルが、46KB。4000x6000ピクセルが149KB。
赤い下線が大きい方(下側)の方が、赤い矢印の数字が大きくなってますね。
jpg画像では、画素数が容量(MB)に影響するようです。
※面積が4倍になったのに、容量が4倍になってないのはjpgという画像さんが、中でうんたらかんたらと難しい計算をしてくれて少しでも小さい容量にしようと頑張っているからです。
同じサイズなら、どんな画像だと容量が大きくなるの?
いきなり結論です。
jpgではノイズが多い画像ほど、容量が大きくなります。
細かな説明をしだすとマニアックな話にしかならないので、簡単に実験です。
本当かどうか、実験してみましょう。
灰色の2000×3000ピクセル(600万画素)のデータと、そのデータにノイズを載せたデータを作ってみました。
こちらがノイズなしの画像。
こちらがノイズを入れた画像。
で、結果です。
ノイズなしが、46KB。ノイズありが6.010MB。
同じ画素数なのに、圧倒的にノイズが載っている画像の方が大きいです。
一気に、6MBまで跳ね上がってます。
ざっと130倍も容量が膨れ上がっています!
jpg画像の特性
jpg画像は良くないとか、写真に向いていないとかうんたらかんたら言う方がおりますが、ちゃんと理解できている人は少ないのではないでしょうか。
画像処理を専攻していた僕ですら、ちゃんと理解できておりません。ほんと。
jpgは「圧縮」しますが、最高画質で保存していればプリントベースだとあまり問題ありません。※ソフトによっては圧縮度合いが選べますね。
それよりも気をつけるべき点はありますが、それはまた別の機会に…
まとめ
・jpg画像のサイズが同じ場合、色でファイル容量は変化しない
・jpg画像は、サイズが違えば容量が変わる
・jpg画像は、ノイズが多ければ容量が増える
さぁ、考えてみてください。
データ容量が多い=綺麗な写真 ですか?
ノイズが多ければ容量が増えるのですから、この式は成り立ちませんよね?
プリントに必要なデータの要素としては、第一に画素数です。
そして、必要な画素数を満たしていて、jpg画像で最高画質で保存していればそれで十分ということになります。
「jpgデータで○MB以上必要」というように、プリントを前提にしているにも関わらず画素数をしていないことは非常にナンセンスだということだけ感じて頂ければ幸いです。
一度にたくさんのことを書くと(僕が)疲れるので、今日はこのへんで。
長文を読んで頂き、ありがとうございました。